高齢化が加速的に進む今の日本で、ご高齢者を対象としたサービスや商品はますます増える傾向にあります。
実際、当サロンも体調や交通の問題でいらっしゃらなくなるお客さまだけでなく、新しいお客さまを増やすということも訪問美容をしている理由のひとつです。
今回は、サロンのスタッフも含めて、わたしたちにはそれ以上の思いもあることをここでお伝えさせていただきます。
ビューティサロンサンライズは、庄原地域の美容組合の会長を長年担っていた先代オーナー(通称先生)が、およそ20年前から組合事業の一環として他美容室のオーナーさまたちと共に高齢者向け施設に定休日の月曜日にボランティアでカットに行ったり、身体の不自由なお客様のためにサロン内を車イスでも移動できるよう広々としたバリアフリーの空間にして整えたりしておりました。
そこに意識があったせいか、先生が晩年入院していた際に「介護美容の資格」について相談すると『これからの時代には必要になってくるから取得するべき!』と言われ、けんちゃんは速攻その翌月に開催される講習に参加申し込みしました。
先生はその直後に看護体制の厳しい病室に移動となり、シャンプー台までの移動も不可能となってしまいました。せめてベッドで洗髪させて欲しいと頼んだのですが、『介護美容の資格がない』と断られてしまい、スタッフ一同とても悔しい思いをしました。
その数日後の先生の葬儀に、結婚と子育てのため25年近く美容現場から離れていたたまちゃんが出席してくれ、まさに『訪問美容がしたい!』ということで、二人揃って講習に参加し無事資格取得となりました。
『先生にできなかったことをみなさまに』
という思いで始めたものの、実践経験が乏しく、移動式シャンプー台ではなんとかなるものの、寝たままや座ったままの方への施術はできればお受けしたくない状況でした。
そんな際、今度は先生のご主人(通称マスター)が寝たままの生活となってしまったのです。脳にできた腫瘍の場所が悪いため身体を動かすことが困難になり気を落としていたため、『おかげでたくさん練習できる!ありがとう!!』と伝え、寝たまま、座ったままの体制での洗髪、カット練習させてもらいました。
『うちの子たち(スタッフのこと)は素晴らしい技術を持ってるんだよ。自信持って紹介できる。』
と訪問に来てくださった看護師さんや理学療法士の方々に”宣伝”してくれていたのも思い返されます。
先生の意思を継いで始めた訪問美容。
マスターを練習台に磨いた技術。
サンライズ&ガロではその想いを胸に、今日も個人宅や施設に訪問し、みなさまに喜んでいただけることが何よりの喜びと、感謝しております。