「人はなぜ誰かを好きになるのかな」
「恋愛の強いパワーはどこから来て、なんのためにあるのかな」
と、最近考えていたところ、時間を持て余した図書館で目に留まった、先日少し触れた水野敬也氏著『運命の恋をかなえるスタンダール』の終盤で答えを見つけました。
この本は、恋愛経験ゼロの30代女主人公に『恋愛論』の著者であるフランスの作家スタンダールが本の中から登場して(という幻覚?)、気になる男性と結婚するために応援しアドバイスをしてくれます。
読んでる途中で、文体の感覚が何かに似ている、と思ったら、あの有名な『夢をかなえるゾウ』の著者さんでした。
見た目も気にせず、人と関わらないように、本を読んでいる時だけ人生を楽しんでいたような主人公が、スタンダールのアドバイスにより、オシャレや会話、人間関係を築くことにも努力しながら話は進みます。
終盤で、主人公が自分の努力が報われないと感じた時に、私の疑問への答えを出してくれました。少し長いけど、その辺りをご紹介します。
恋をすることは相手に対して結晶作用を起こすこと。ただ、自身の結晶作用を強よめてしまうと、相手の気持ちを冷めさせ、恋が実らない可能性を高めてしまう。
では、どうして人は人を好きになるのだろう。
髪を切って綺麗になろうとしたり、お洒落をしたり、魅力的な会話や振る舞いを身につけようとした。
もちろん、そういう努力が必ずしも実を結ぶわけじゃない。失敗したり傷ついたりするだけで終わることもあるだろう。
でも、もし、今までしたことのない何かを試さなかったとしたら、私が今いるこの場所に ー想像することができなかった現実にー たどり着くことはできなかった。
結晶作用を起こしたからこそ、自分が知らなかった自分と出会い、知らなかった世界を経験することができたのだ。自分が知らなかった自分と出会い、知らなかった世界を経験することができたのだ。そこには、喜びだけじゃなく苦しみや悲しみもあるけれど、どれだけ妄想しても決してたどり着けない、「本当の世界」だ。
これまで、本さえあればどんな世界にも旅立つことができると思っていた。でも、恋をすることは、本当の意味で全ての世界に通じる扉であり、その扉が固く閉ざされているときに鍵の役目を果たしてくれるのが、本なのだ。
『運命の恋をかなえるスタンダール』水野敬也著
その後で、スタンダールの『恋愛論』も記載されてました。
情熱を持って恋をしたことのない人間には、人生の半分、それも美しい方の半分が隠されている。
『恋愛論』第31章 スタンダール
恋をしている時でないと湧かないエネルギーやパワー、そして感情があるんですよね。そして確かにそれらは美しい!